研修会のご報告

令和6年度 第1回臨床微生物部門研修会

テーマ

明日から仕事で使える細菌検査のこと

日時

2024年8月3日(日)14:00~17:00

会場

Webexを利用した研修会
参加者:45名
実務員:6名
講師:2名

【研修会内容】

今回もWeb型研修会での開催となった。CLSIの変更は、新規抗菌薬への対応や抗菌薬の感受性と耐性菌の出現によるブレイクポイントの基準値の最新情報が示されています。臨床での細菌検査データの見方使い方では、患者に対して最適な治療を提供するために、感染症科医師と臨床検査技師はそれぞれ重要な役割を果たすことにより、常に最新の情報を基にした検査を行うことで、感染症の診断と治療がより効果的になります。注意すべき症例や基礎知識を学べるような内容と臨床医との関わり感染症治療についての研修会を開催しました。

【講演1】「CLSIの変更点、注意点」 講師:栄研化学 学術

CLSIは微生物検査のブレイクポイントを定めています。薬剤感受性試験を行う際に参考となるものです。Mシリーズの最新版の閲覧方法を紹介していただきました。M100ED34の変更点の解説して頂きました。精度管理調査でも重視され、日常検査においても最新版で評価することが推奨されています。最適な患者治療のための重要情報となります。毎年変更されるため常に最新版への更新が必要です。

 

【講演2】「臨床での細菌検査のデータの見方、使い方」

講師:静岡県立がんセンター 中屋 雄一郎 先生

感染症科医師の立場から診断と治療計画、さらに微生物検査について実際の症例提示と共に講演をして頂きました。症例では起炎菌の推定と最適な抗菌薬投与治療、検査室では起炎菌の同定感受性試験の結果報告を実施。それぞれの役割で臨床検査技師は微生物検査や薬剤感受性試験を通して、感染症医師に必要な情報を提供します。感染症治療において最も重要なことは医師と臨床検査技師の情報共有と定期的なコミュニケーションを密にすることで患者の状態や検査結果と治療の成果などにつて検討を行っていくことが重要であるとの内容でした。

 

皆さま参加ありがとうございました。

令和 5 年度 第 1 回臨床微生物部門研修会報告

テーマ

『テーマ』やってなくても知っておきたい抗酸菌の基礎知識

日時

2023 年 11 月 25 日(土)

会場

Web 会場(Cisco Webex)
参加人数32名

【研修会内容】
今回も Web 型研修会での開催でした。抗酸菌検査をすべて自施設で実施してる施設は少な
い。たとえ検査は外注であってもガイドラインや検査の現状など基礎知識を学べるような
研修会を開催しました。

 

【研修会報告】
【講演 1】抗酸菌検査ガイドラインの解説と現場の取り組み
「現場での取り組み」
実際に抗酸菌塗抹・培養・同定・薬剤感受性・核酸増幅検査を実施している施設の日常業
務に沿った説明であった。実際の業務風景の画像もあり、また検体数や陽性率など、やっ
ていない施設にもわかりやすい内容であった。

「抗酸菌ガイドライン(IGRAガイドライン変更点)」
IGRA検査は自施設ではほとんど実施していないが、検査方法・結果の解釈・判定基準、
さらに結核の現状の講義であり、興味深い内容であった

【講演 2】非結核性抗酸菌症の基礎
非結核性抗酸菌症が急増している現状とともに抗酸菌検査の基本的は進め方、非結核性抗
酸菌の薬剤感受性検査の使い分け、さらに化学療法に至るまで幅広い内容であった。

 

いずれの講演も抗酸菌検査をやっていない施設でもわかりやすく、自施設で抗酸菌検査を
取り入れる際のハードルも低くなり身近に感じられる内容であった。

 

2022 年度 第 1 回臨床微生物部門研修会報告

テーマ

テーマ『微生物検査の聞きたいこと』
【講演 1】グラム染色-グラム染色でわかること、伝えられること
【講演 2】ISO 取得でのここをやっておくといいかも
【座談会】聞きたいこと聞きましょう!

日時

2023 年 1 月 14 日(土)14:00~16:00

会場

Web 会場(Webex)

-研修会内容-
今回も WEB 型研修会での開催。コロナ渦となり研修会ではコロナ・アフターコロナに対する
内容が多い中、基本に戻りグラム染色について、また ISO 取得する場合に必要なことについて、
ざっくばらんに話ができるような研修会を開催しました。
【講演 1】グラム染色-グラム染色でわかること、伝えられること
グラム染色の基礎・原理・染色法の違いなど基本的なことを、図などを用いて説明された。症
例として血液培養・尿・喀痰2例ずつ提示された。
それぞれの検体・症例について患者背景や染色像よりわかることとして、推定される菌名・感
染状況・検体の質などがあり、そこから伝えられることとして抗菌薬の情報・検体採取法・次
検査案内など付加価値をつけられるような説明があり、日常検査ですぐにでも実践できる内容
であった。講演中は参加者に質問したり、Web ではあるが参加型の形式であった。
【講演 2】ISO 取得でのここをやっておくといいかも
ISO15189 取得において、要求事項とその要件を満たすための準備について、実際に作成した
試薬台帳や文書や在庫・申し送りの様子などを写真も用いてわかりやすく説明された。要求事
項の解釈についてや、実施していく上では効率の良い動線や続けられる運用が大切とのアドバ
イスもあった。ISO 取得する・しないに関わらず、まずは環境整備を整え、作業手順書作成・
改定時は要求事項に沿って作成、在庫管理・試薬管理などできることを日頃から実施すること
で、検査室をきれい保てたり、試薬期限切れ防止につなげることができ、またいざ取得となっ
た場合でも慌てることがないと、検査業務ではないが興味深い内容であった。
【座談会】聞きたいこと聞きましょう!
こんなこと聞いてもいいのかな?と思わずになんでも言ってみようというコンセプト
あえて座談会という場は設けなかったが、それぞれの講演についてチャット機能も使用し活発
な質疑応答となった。
今後も研修会などを通して、日頃から施設内だけでなく他施設とも顔見知りの関係を構築して
いくことで、困った時や迷った時に些細なことでも相談できる環境ができ、自身・自施設の知識・技術の向上につなげていきたい。