【講演1】「当院における血液培養ボトルの血液量調査の取り組み」
講師:磐田市立総合病院 黒田 志保 技師
採血量の増減は検査結果に影響を与える因子であり、その結果を定期的にフィードバックすることが重要です。血液培養において採血量、2セット採取率、陽性率、1,000患者/日あたり採取数、汚染率などICT活動などを通じてその品質保証の指標として利用されています。採血量の調査法や運用に多くの労力を割き非常に熱心に検討されていることが伺えました。採血量が少なくても多すぎても検出率の向上がみられず適切な採血量が存在することが理解できました。ICNなど他部門との共有認識が必要であり採血量の管理が不可欠で重要性を考えさせられました。多くの施設で精度管理を含め、血液培養の品質を向上させるために取り組むべき必要性があると改めて認識させられました。
【講演2】「実臨床で使える耐性菌検出の検査フロー」
講師:ベックマン・コールタージャパン 津田 慎太郎 氏
薬剤耐性菌の検出は、医療現場においてますます重要になっています。CLSIの基準値に基づく薬剤感受性試験(微量液体希釈法標準法)の原則について説明された。多くの施設で分析機を使用し、微量液体希釈法を用いて薬剤感受性試験を実施しています。分析機で耐性菌が疑われる場合は、アラートが表示され、確認試験のタイミングや方法、自然耐性(内因性耐性)を示す菌種と抗菌薬の組み合わせについて現状と共に詳しく説明されました。他社製品や用手法でも同様の確認試験が実施されるべきことが述べられました。最新のCLSI基準を満たした報告書の作成の必要性が強調され明日からの実務で役立つ具体的な手法が多く紹介され、今後の業務に直接生かせる内容が多くありました。